1.17 入荷品


ASUNA / THIS
Asunaの音楽を初めて聴いたのは、確か当時、小さなギャラリーやイベントスペースで行われていたTELEKMUSIKっていうイベントでだ。小さなスペースで鳴らされる小さな音楽たちに魅了されたのもちょうどあのくらいの頃かもしれない。オルガンからウォーミーなドローンを鳴らすAsunaのたたずまい、どこが始まりで、どこが終わりなんだか分からない音楽、きっとこの人はこれからもずっとずっと、好きな音楽を続けていくんじゃないか、そんなことを思った、気がする。
それから国内も国内外も関係なく、いろんな所からAsunaの音楽がささやかに発表された。そう、magic bookがまだ誰も知らないようなレーベルだった時から、こころよく僕が企画したコンピにも参加してくれた。
そんなAsunaの1999年から2008年までを総括する2枚組アルバムがHEADZからリリースされた。アルバムにすると、20枚相当にも及ぶ膨大な量の音源の中から選びぬかれた6編のアンビエント/ドローンミュージック。
あったかい空気、静かな時間、香ばしい匂い、ほころんだ布、透明な午後、輝く公園、古びた写真、みんなの声、移動する季節、また来る季節、前に観た景色、初めての音、別れの涙、涙の味、お母さんと歩いた商店街とか、今はすっかり変わっちゃったあの曲がり角とか、いろんな思い出が、永遠に続いてくれそうな、こんな音を聴いていると、駆け巡ったりする。


Hair Stylistics / 30 Minute Panty People
怒涛の月刊シリーズを続けるヘア・スタイリスティックスの第5弾は、シリーズ初のスタジオ・ライブ録音!!4弾までが自宅録音ということもあり、今作、ヴォリュームからもおおおおおおおぶっ飛んでます!!!!!嵐のごとく轟く騒音!轟音!暴音!まさにPANTYを凝視する男たちの思考回路!!?PANTYという魅惑に日々悩まされ続ける男たちの脳内荒野????女子には死ぬまで分からない男たちの悶々ノイズとロマンチック・ブルース!!!!とか、ふざけた戯れ言は置いといて、様々なエフェクターを駆使して構築された巨大な音塊が隕石のごとく降ってくるメテオ・エレクトロニクス!!!!30分もあれば、軽々世界はおしまいだああああ!!!空から降り続く、隕石、そして2階のベランダから落ちてきた一枚のPANTY、ん?PANTY…?って、全然PANTYから頭切りかえてないじゃん!!結局PANTYからは決して逃れられない!?悶絶30 Minute Panty People!!!!


Hair Stylistics / Electric Success in the Ghetto
ヘアスタ月刊シリーズの第4弾は、「作りこまない」ということに正面から向き合った、一発録りのフリーフォーム・フリーキーダダ漏れエレクトロニクス!!!!!「一発録りは未だに抵抗あって。このまま出しちゃっていいのかなって、手を加えたくなる。それとどう闘うかですね」と語る中原氏の言葉どおり、このマンスリーシリーズのそもそものコンセプトでもある作りこまないということの難しさって、作品と向き合う人間には痛いほど分かりますよね。規制から解き放たれ、鳴らされ、ディレートされなかった音たちの蠢き。まるで次の展開が読めない楽しすぎる一枚。


Hair Stylistics / Hard Märchen
マンスリー・ヘア・スタイリスティックスの第3弾!ぐわんぐわんに歪みきった可笑しなお話!まさにHaaaaaaardなメルヘン!!!!おとぎの国の中原昌也!!!?びにょんびにょんに伸びきったり、縮こまったりするELECTRICな虫やら微生物やらが脳内に侵入して暴れまわるような「unfinished untitled」、ぶにょりとしたスクラッチのループと飛び散るエフェクト音の垂れこぼしが情けな〜い気持ち良さの「Hard Märchen」、へっぽこへっぽこ…と打つドラムマシンがブルトーザーみたいなノイズ音とともに行進する「No Fender Rhodes」、なんてこった…なタイトルが愉快な「Anal Collective」などなど奇形おとぎばなしの5編。気鋭の女性カメラマン田村尚子による撮り下ろしジャケット。人が機材を操っているのか、それとも人は機材に操られているのか、気づけば可笑しな世界に迷い込んでしまっているなんてこと、想像すると恐いなぁ〜〜。

本日の入荷品:
ASUNA / THIS
Hair Stylistics / 30 Minute Panty People
Hair Stylistics / Electric Success in the Ghetto
Hair Stylistics / Hard Märchen